ビルメンテナンスの仕事って楽なの?ビル管理の仕事と業務内容
ビルを安心安全に利用するためには、ビルメンテナンスが不可欠です。ビルメンテンス、通称ビルメンは、あまり目立たたない職業ですが、社会からの高い需要があります。
人と接するのが苦手、辛い仕事はしたくないと思っている方にも向いています。
そこで今回は、ビルメンテナンスに就いてみたい方へ、仕事内容などを詳しくご紹介します。
ビル管理・ビルメンテナンスとは
ビルメンテナンスは、「ビルメン」や「ビル管理」とも呼ばれ、主に環境衛生管理、設備管理、保安警備、その他管理業務を行うことをいいます。
ビルの維持管理については、ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)にも定められています。
ビルメンテナンスは、多種多様な目的で使用されるビルを、利用者が安心して快適に過ごせるためにあらゆる角度からビルの管理をする大切な仕事です。
ビル管理の仕事内容
ビルメンテナンスは、主に4つの管理業務に分けられます。基本的には、清掃、設備管理、警備、マネジメント業務となります。この4つについて詳しく見ていきましょう。
環境衛生管理業務
ビルを快適に過ごすために、エレベータや外壁など建物内外の清掃や、空気・給水・排水管理や廃棄物処理などを行っています。
これらの業務はビル管理者自身が行うこともありますが、基本的には業者に依頼をし定期的に清掃や衛生管理を行っています。
設備管理・保全業務
ビルの設備は多岐にわたり、照明や電話回線などの「電気通信設備」やエアコンやボイラーなどの「空気調和設備」などがあります。これらの設備の運転保守業務は、「電気主任技術者」や「ボイラー技士」と呼ばれる資格者によって行われています。
また、点検整備業務として建物の構造部の点検や設備の点検なども行っています。
保安警備業務
セキュリティ対策として警備員を配置したり、火災感知器やスプリンクラーなどの防災設備の点検を行います。
その他管理業務
ビルを経営している場合はビルマネジメント業務を行っています。また、ビルの利用者に向けて受付・案内、電話対応、メールサービスなどの管理サービス業務があります。
ビル管理の業務時間(タイムスケジュール)
ビル管理の1日のタイムスケジュールは基本的にサラリーマンと変わりありません。清掃業務、設備調整業務、その他管理業務についてみてみましょう。
8:00|出勤・朝礼、1日の作業内容の確認
9:00|各持ち場に移動し、業務開始
※清掃業務(空き部屋の清掃、床掃除など)
※設備調整業務(建物の開錠、空調時間の設定など)
※その他管理業務(集金業務など)
12:00|休憩・昼食
13:00
※清掃業務(空き部屋の掃除、ゴミの回収など)
※設備調整業務(空調時間の再調整、点検、水質検査など)
※その他管理業務(集計業務、報告書作成など)
17:00|業務終了
このように8:00〜8:30の間に出勤し、それぞれの業務を行い17:00〜17:30の間に退社する流れになっています。どの業務においても、人と接する機会が少なく自分のペースで決められた仕事をすることができます。
ビル管理の職場の年齢層
ビルメンテンスの職場の年齢層は、40代〜60代と高めの年齢層が多くなっているところが多いようです。社会的な需要は高まりつつありますが、人手不足が深刻です。
しかし、ビルメンテンスは未経験から高齢者の方まで幅広く行える仕事です。若年層を求める声も多いため、ビルメンテンスに就きたいと思っている方には最適な状況だと言えるでしょう。
ビル管理の給料(年収・手取り)
ビル管理者の年収、給料を年代別に解説します。
20代の給料:20.6万円(年収:250万〜300万円)
30代の給料:27.5万円(年収:330万〜360万円)
40代の給料:32.5万円(年収:360万〜400万円)
※あくまでも目安です
転職エージェントのビル施設管理者の平均年収は、約280万円(2017年)となっています。
ビル管理者として何かしらの資格を持っていると給与アップが見込めます。
ビル管理に必要な資格・あると有利な資格
ビルメンテナンスは無資格でも行うことができますが、幅広くビル管理の仕事をできるように資格を取得することをおすすめします。
面積が3000u以上のビルについては、「ビル管理士」といわれる資格を持っている管理者を一人選任する必要があります。受験のためには実務経験2年以上が必要ですが、この資格を取得することでビル管理者を一生の仕事にすることができます。
「ビル管理士」の資格の他にも、実務経験がなくても受験できる「第二種電気工事士」や「第三種電気主任技術者」という電気関係の資格や「ボイラー」という熱源の資格などがあります。
ビルメンテナンスの平均収入は200万〜300万円と言われていますが、収入アップが望めるためぜひ資格取得を目指しましょう。
ビル管理の魅力
ビル管理の魅力は、やはり多くの人が利用するビルを支えているという責任を背負っているところにあります。
表舞台で活躍する華やかな仕事ではありませんが、裏で多くの人のために働く使命感がビルメンのやりがい、魅力と言えるでしょう。
また、資格やスキルを身に付けることで収入アップにもつながるため、自分の頑張り次第で評価される世界ということも魅力の一つです。
特に、電機や空調などの設備管理に関する資格を取得することで緊急事態にも対応することができ、資格取得することでより使命感が高まるという相乗効果が得られるでしょう。
ビル管理の大変なところ
ビル施設管理者の仕事はビルの空調、電機、水道関連の設備管理や警備、清掃管理など多岐に渡ります。それらの仕事に必要な知識、スキルを身に付けなければなりません。
また、警備や清掃管理などは夜間の勤務もあるため不規則な勤務体系になることもあります。肉体労働は少ないですが、不規則な勤務体系である場合は体力的に大変な面もあります。
設備管理の仕事は、何かトラブルが起きた時に即時の対応が求められます。想定外のトラブルが起きた場合でも冷静に対処しなければならないため、そういった面もビル管理の大変なところと言えるでしょう。
ビル管理に向いている人
ビルメンテナンスはビルを安心して利用するために必要な仕事です。目立つ職業ではありませんが、裏で大勢の人を支えている仕事です。ビル管理に向いている人は、裏で人を支えることにやりがいを感じる人に向いていると言えます。
その他にビル管理に向いている人の特徴を以下にまとめました。
責任感が強い人
ビルを安心安全に利用するために管理することがビルメンテナンスの仕事です。責任を持って仕事に取り組むことができる姿勢が必要不可欠です。
勉強することが好きな人
ビル管理は清掃、設備、警備など様々な仕事があります。特に、設備管理では空調や電機、衛生面の知識、スキルが必要とされます。
また、ビル管理者には上で紹介したように「ビル管理士」などの様々な資格があり、収入アップにもつながります。
スキルアップや収入アップのために勉強をできる人にはとても向いている仕事です。
人と接することが苦手で自分のペースで仕事をするのが好きな人
ビル管理はビルのオーナーや一緒に作業をする人などとは関わりますが、基本的に他の仕事より人と関わることが少ないです。
また想定外のトラブルを除けば、決められた仕事内容を自分のペースで行うことができます。
ビル管理の仕事に就くには
ビル管理の仕事は、基本的に未経験から始めることが可能なためビルメンテンスの求人に応募することでビル管理の仕事に就くことができます。未経験から始めて、働きながら資格取得をして役職に就く方法もあります。
人手不足ということもありビルメンテナンスの求人は多く出ています。興味がある方は、まずその求人に応募してみましょう。
ビル管理の主な就職先
ビルメンテナンスの大手・有名企業から中小企業を紹介します。大手・有名企業では、不動産会社やゼネコン系、電機メーカーなどの企業が多くあります。また、中小企業は未経験OKでワークライフバランスなども充実した優良企業を紹介します。
大手・有名企業
- NECファシリティーズ
- オリックスファシリティーズ
- NTTファシリティーズ
- JR東日本ファシリティーズ
- セコム
- 三井不動産ファシリティーズ
中小企業
- 株式会社ユニテックス
- 株式会社エフビーエス・ミヤマ
- テクノメンテナンス株式会社
- 瀬戸空間プロデュース株式会社
- 株式会社CO2O(シーオーツーオー)
まとめ
ビルメンテナンスといっても、様々な業務があります。裏方の職業ではありますが、オフィスで安心安全に仕事をしたり、休日にショッピングを楽しむことが出来るのはビルメンテナンスを行ってくれる方がいるからです。
ビルメンテナンスは社会にとってとても重要であり、やりがいのある仕事と言えるでしょう。
「人と関わらない仕事」としても比較的向いている仕事なので人間関係に悩む方は目指してみるのもおすすめです。