ノルマのない仕事一覧!ノルマの少ない仕事の特徴と見極め方
仕事をする上で目標はあっても厳しいノルマが課せられると、その分プレッシャーの中で働いていかなければいけません。重すぎるノルマは精神的な負担となり、ツラいストレスにもつながる大きな問題でもあります。
ノルマのある仕事(多い仕事や厳しい仕事)にはそれ相応のメリットもありますが、同時にデメリットも大きいものです。
そもそもノルマのない仕事はあるのか?どんな仕事にノルマが課せられやすいのかを含め、ノルマがない仕事やノルマの少ない仕事の特徴を紹介します。
プレッシャーを最小限に自分のペースで働きたい人はぜひ参考にしてください。
ノルマと目標の違い
まず初めに、「ノルマ」と混同しやすい言葉に「目標」があります。「ノルマ」と「目標」は似たような意味で使われますが、厳密には同じ意味ではありません。
小難しいことを言えば…
ノルマとは労働基準を表すロシア語で、労働基準量や標準作業量という意味があります。ロシアの社会主義の中で変化した言葉でもあり、仕事の目的がノルマを果たすことに変化していきました。
要は、ノルマは量に対して使われる言葉になり、質は関係なくなっていったわけです。良い仕事をすることよりも量である数をこなすことがノルマとなり、ノルマを達成して賃金を確保するのが最優先となり、質のいい仕事をするという意味はどんどんと希薄になったようです。
単純に解釈すると「やらなければいけないこと」として規定しているのがノルマであり、目標はマイルストーンに近い言葉になるでしょう。
マイルストーンとは
道路に1マイルごとに置かれている標石のことですが、ビジネスシーンにおいては、物事の進捗を管理・把握するために節目の意で使われます。マラソンで例えるなら42.195kmの中の10km地点、20km地点と言った節目のことですね。
ごくごく簡単に言ってしまえば、強制力のあるものがノルマで、ないものが目標と解釈してもよいかもしれません。
ここは言葉のニュアンスや個々人での解釈により捉え方は異なるところではあります。ある意味で、誰かに与えられるものがノルマであり、自分で決めるのが目標とも言えるかもしれません。
目標には自分で定めたことで前向きに力がかかり、ノルマは強制されることで後ろ向きに力がかかる可能性があるのも大きな違いかもしれませんね。
実際のところは目標も半強制的に設定される意味ではノルマに近いかもしれませんが…。
ノルマを自分の中で目標に置き換えることができる人なら負担は少なくなります。目標は自分が達成したい自己実現でもあり、ノルマとは異なる存在に見えるはずです。
指示を受ける際にも、目標がノルマにすり替わっていることがありますが、そもそも努力義務ではありません。目標にペナルティが存在しない以上は大きな違いとなって仕事に表れてくるでしょう。
残念ながらノルマのない仕事は少ない!でもあるにはある
ノルマが達成しなければいけない目的である以上、企業は何らかのかたちでノルマを課してきます。色々なかたち、量がありますが、必要だからこそ設定している側面もあります。
極論ですが、ノルマがない状況を考えてみると「働かなくてもいい」という解釈もできてしまいます。これがノルマのない仕事が少ない理由です。
先にもお伝えしたようにそれがノルマなのか目標なのかでも違いますが、目標であるならノルマのない仕事も「それなりにある」と言えます。
重要業績評価指数(KPI)は、人事考課に関わる大事な要素です。これは業績を達成するためにどれぐらい機能しているのかを測るために用いられる指数ですが、ノルマと密接な関係があり無視することはできません。
KPIからも見えてきますが、達成基準としてのノルマはどんな企業にも必ず存在します。
それが強制的に表れてくるものなのか、それとも潜在的に存在するのかが大きな違いです。先にもお伝えした「ノルマ」なのか「目標」なのかみたいなものですね。表に現れればハッキリと認識できますが、評価としてノルマが設定されているだけであれば気が付かないだけです。
ハッキリと認識できないだけで、ノルマが存在している場合には、やはり達成しなければならず、プレッシャーを感じるでしょうし、未達となれば赤字社員となってしまうかもしれません。
また、多いのか少ないのかも注目しなければいけません。ノルマが重く、数多く課せられることになれば、負担は増えるのは当然です。ひとつだけのノルマに向かっていくのなら、少々重いものでも注力もしやすくなります。この違いは大きく、ノルマのある仕事でも負担が少ないことが出てくるからです。
また、役職者などは達成目標として上からノルマを課せられている場合も多いです。平社員などではわからなくても上に行くほどにノルマは厳しくなっていき、それに対する対価も大きくなるのが一般的です。
後ほどノルマの少ない仕事の特徴も紹介していますが、平社員などは比較的ノルマが緩かったり、ノルマのない仕事が役職者に対しては多いと言えるでしょう。
ノルマのある仕事の特徴と代表的な仕事
銀行員や証券会社のような金融系
ノルマのきつい仕事として知られているのが、銀行員や証券会社の顧客担当です。
営業職が持つ特徴でもありますが、毎月一定以上の顧客を確保しなければいけません。
なかなか確保できないときには、電話でアポを取ったりすることも出てきます。顧客数を確保すると同時に金額も査定対象であり、どこまで企業の経営に貢献できているかを重要視されます。
BtoCの仕事が多く、顧客から冷たくされたことがストレスになる人も多く、ストレス耐性が高くなければ務まりません。
金融商品というところでは、保険会社なども含まれますが、こちらも高いノルマが課せられることで知られています。
基本的に限界のない仕事で、常に顧客確保を繰り返していくことになるので苦手な人にとっては毎月終わりが見えない部分がプレッシャーになって襲い掛かってくる場合もあります。
しかし、給料が歩合制の場合などはノルマを達成し、さらに大きく上回ることで給料も上がりやすく、人によってはどんどんと出世していくことができる仕事です。
商社での営業
物を買い売る仕事をする商社では、常にノルマが付きまといます。
買うときには安く、売るときには高くが基本です。いかに取り引きできるのか、日々戦いとも言えます。
取り引きをしていくことが経営活動のため、どれぐらいの利益になるか、ノルマを作らなければ商社の経営は成り立ちません。
かなり厳しいノルマを課す場合もありますが、成果主義の世界なのを考えれば、これも致し方ないと言えます。金融系と同様に、ノルマをこなせる人は出世街道に乗る実力主義の社会です。
アパレル系などの販売
アパレル系に限ったことではありませんが、販売系の仕事はノルマが課せられることが見受けられます。
販売量をキープしなければ経営できないからですが、中には自腹を切って購入する人(させる会社)も少なくありません。
すべてのお店がノルマを設定するわけではありませんが、
中にはこのシステム(ノルマ)を利用して、給料の大半をつぎ込んで出世に掛けるという人もいるくらいです。そういう面では一長一短とも言えますね。
ノルマ達成のために、積極的な接客に出る必要もあり、多少のコミュニケーション能力も必要であり、コミュ力の高い人は販売の仕事に向いているかもしれません。
ノルマのありなしは置いておいて自社製品を安く買えるようなシステムがあるお店も多く、デメリットばかりではありません。
派遣など人材系の仕事
派遣の仕事は運営など管理側か、派遣される社員側かで大きくことなります。
管理側としては、ノルマがはっきりとしています。日々の売り上げに関わる人材管理が重要で、必要な人数を集めて管理していかなければいけません。
人数が増えれば、それだけ売上が上がる代わりに、管理は激務となります。
要求されている人数に対して派遣できる人数が足りなければ、様々な方法で人を集めなければいけません。広告・宣伝を打つだけならまだしも、登録してある人に電話でアポを取ったりすることも出てきます。
知り合いに頼んでみるといったこともあるため、関係がギクシャクするようなことさえある仕事です。
ノルマによっては、休む時間も少なくなるほど膨大な仕事量を抱えるのも珍しくありません。
派遣される社員は重い責任がない分、比較的ノルマとは無縁に近い気楽に働きやすい働き方ではありますが、契約更新などの際に「使えない社員」として見られれば切られる対象になったり、人員削減の余波を一番受けやすいため一長一短はあります。
派遣社員についてはノルマの少ない仕事として後ほど紹介しますが一長一短はあります。
出版の営業
出版も激務で知られています。
営業活動をこまめに行わなければならず、常に取引先を回るのが仕事です。人間関係によっても取引量が変わることが多いため、とにかく足で稼がなければノルマを達成できません。
競合の出版社の研究も必要で、ノルマ達成のための方法を日々考えていきます。
訪問件数がノルマに直結する業界の性格上、かなり厳しく縛られる傾向です。体力勝負の仕事になってくることから、負担はとても大きくなります。
公務員にもノルマはある
公務員も例外ではなく、様々なノルマが課せられています。
はっきりと公表されてはいないものの、徴税や検挙件数といったことが成績につながるのは間違いありません。
これは、達成しなければいけないことでノルマと何ら変わりません。
利益のために行われるノルマとは性格が少々異なりますが、目標を達成しなければ、それだけ自分の出世に響くのは民間企業と変わりません。
交通違反検挙件数などは、ノルマとして公表すると、内容的な問題が出てくるため公表されないと言われています。
ありそうでノルマがある学者
研究機関としてノルマと無縁のように見えますが、実際にはそうではありません。
論文も一定以上提出を求められますし、成果が出なければ研究室の閉鎖も出てきます。
研究費の縮小も成果が上がらなければ当然のように行われるため、無意識にノルマが存在する仕事です。
自分のしたい研究をするといった目的はあっても、現実的な部分からは逃れられません。
郵便局員やコンビニ店員
季節的にノルマが課せられることで知られている仕事です。
年賀状の販売数量を確保するために、親戚などにも買ってもらうというのはよく知られるようになりました。
コンビニでも、クリスマスなどには販売ノルマが発生し、自分で購入しなければいけないことも出てきます。
「自爆営業」といった言葉も生まれたほどで、大きな負担になることは間違いありません。
このように表立って出てこないだけでノルマは多くの企業で存在しています。ただ、強制力のないものや出世欲のない人にはノルマでなければ達成する必要はなく、自分のペースで働きやすいかもしれませんね。
これ以外の仕事はノルマのないことも多い
ノルマがない場合やはっきりとしていない仕事もいくつかあります。
ノルマがほとんどない事務職
事務職はノルマのない仕事の代表格で、あるとすれば現在処理しなければいけないことがノルマになります。
会社全体の業務をサポートするのが事務職の仕事ですが、必要とあれば書類作成や整理もしなければいけませんし、電話対応も出てきます。
時期によって仕事量に偏りがあり、処理しなければいけない書類が溜まれば、それをクリアするまで帰れないことも珍しくありません。
企業によっても違いますが、売上げに関わるようなノルマが課せられることは少ないことは確かです。
秘書の仕事
秘書にはノルマは存在しません。だからといって、精神的に楽なのかといわれれば、これもまた違うかもしれません。
細かな仕事が多く、配慮が欠かせませんし、スケジュール管理を含め、突発的な事態にも臨機応変に対応できるスキルが必要です。
ノルマはない代わりに、担当した相手の業務やスケジュールが、毎日滞りなく進むようにするは簡単ではありません。
受付は接客対応が鍵
接客対応の中でも、ノルマはないのが受付です。
事務職のひとつにも含まれますが、来客に対する対応がメインとなるため、ノルマを課せられません。
目標としては、滞りなく業務を処理することが大切です。
受付だけであればノルマを作り出すことができない仕事ですが、企業の看板としての大切な立場にあることは忘れてはいけません。
ノルマがなくても、ひとつの失敗が大きな影響を与えてしまう仕事です。
マンション管理人やメンテナンス
マンション管理には、ノルマを設定できません。
賃貸物件の管理には、なにか決められたノルマがないからです。人間関係などもほとんどありません。
メンテナンスに関しても、基本は監視室での業務になるため、そこまで追いかけられることもない仕事です。ただし、質を求められることは注意でしょう。
展示会などの場合には、接客を含めてノルマが課せられることはあります。
医療や介護の現場
元々人手不足の業界ですが、ノルマをかける対象がありません。
営業活動をしている部門では、顧客数の確保というノルマが発生しますが、基本的には待ちの営業体制であり、常に最善のサービス提供が求められる仕事です。
現場の質が重要であり、看板にもなってきます。
ノルマがない仕事に向いている人いない人
ノルマがない仕事は、成績で追いかけられたりしません。
例えば、営業職でノルマがあるのは当然です。
営業の仕事は物やサービスを売らなければいけない以上、どれぐらい売ればいいのか、どれぐらい売ることで利益が出るのかを計算します。
ノルマがなければ、営業職として一体何をどのぐらい売るべきなのかが見えてきません。これでは成績を作り上げるのも困難になってしまいます。
仕事の根幹にも関わるためノルマがあって当然ですが、自分で予測を建てるぐらいの技量も求められるのが営業です。
達成感に強く影響しますし、競争して打ち勝ちたい人に向いているのは間違いありません。出世も自分の手で勝ち取るという人は、ノルマの中で働く方が良いでしょう。
こうしたノルマがはっきりした環境に適した人もいますが、逆にツラい思いをする人もいるのは間違いありません。
のんびりと働きたい人や人間関係でギクシャクしたりしたくない人にとっては、ノルマのある企業は苦痛です。高いノルマばかり課せられると、やる気がなくなってしまうこともあります。
給料が高くなくても精神的な苦痛を避けたいという人には、ノルマのない仕事が適していると言えます。
ストレスによって体に変調をきたした人もノルマがない方が安全です。楽に働けるというところとは少々違いがありますが、精神的にも負担が少なくなるのは間違いありません。
ノルマのない仕事をしたいというのは、なにも間違いではありません。自分の力を発揮できる環境であれば、それはその人に合っているからです。
人間関係に疲れてしまっているときでも、ノルマから解放されるだけで違いが表れることもあります。なにも自分を責めるようなことではなく、自然体で働きたいと思うときには、ノルマがない仕事は素晴らしい選択になるはずです。
ノルマのない仕事のメリットとデメリット
ノルマがない仕事のメリット
ノルマがない仕事には、数多くのメリットがあります。
大前提となるのが、ノルマに追いかけられたり縛られたりすることがない点です。
会社の業績などとは関係の薄い仕事が多くなりますが、その分だけプレッシャーを受けることはなくなります。
ノルマで左遷されたりするようなこともありません。
社員同士でギスギスした関係が少ないのは、ノルマで足の引っ張り合いになることがないからですね。
ノルマのない仕事で発生するデメリット
ノルマがないことによって、数字で負われたりすることはなくなります。
その代りになる何かが求められる場合もあるため、一概に楽な仕事という括りにはできないかもしれません。
例えば、採用担当となった場合、ノルマはありませんが、1年間にどれぐらいの人を雇わなければいけないのか、質とともに問われます。人事なら、社員に辞められないような仕組み作り・組織作りも必要ですし、それぞれの管理もしていかなければいけません。
辞職してしまう人数が増えれば、ノルマではありませんが定着率の低さが問題になります。企業としての存続性に関わる問題となります。
社内で何か月後には一人前にして独り立ちさせるのか、教育のスケジュールも立てるはずですが、これがすべて無駄になります。
採用するためにもお金がかかっていますが、ノルマという明確なかたちがない代わりに厳しい現実が待っています。
給料も低めでマンネリ化しやすいところも、ノルマがない仕事でよく見られるパターンです。どうしても競争が少ない仕事になるため、給料を上げる対象の査定がうまくできません。
真面目に仕事をするのは当然のことですが、ノルマのない事務職がどうしても低くなってしまうことと同じです。
仕事の内容に対する変化が乏しく同じような仕事の繰り返しが多くなります。新たな仕事にチャレンジするような場面は数少ないのがノルマのない仕事で多く見られる特徴です。
日常としてみれば安定した生活を送ることができるともいえますが、日々刺激を受けたい人には物足りない状態になるでしょう。
また、大きなデメリットになってしまうのが、すべてできて当たり前とされる点です。
ノルマがないため、仕事は完遂して当たり前になります。成績としてみると、ノルマがある仕事の場合には完遂できればプラスされますが、なければ減点されることになりやすくなります。
マンション管理であれば、管理して当たり前であり、問題が出れば減点です。受付であれば、滞りなく対応できなければいけません。
この違いは大きく、責任は重くても功績は認められない場合も出てきます。いくら頑張っても成績につながらないこともデメリットです。
メリットとデメリットは表裏一体なので切り離せない部分ではありますが、ノルマのない仕事にはメリットも大きければデメリットもそれ相応です。ただし、どちらが自分に合っているか、また自分の求めているスタイルかで選ぶ仕事は自由です。
ノルマのない仕事でストレスなく働き、余暇を充実させるのも人生の楽しみ方の一つですよね。
プレッシャーを避けたいならノルマのない仕事がおすすめ
精神的にきつい仕事を避けたい人には、ノルマがない仕事を選んだ方が確実です。
負担を減らしたいというのであれば、ノルマのない仕事がよいでしょう。これだけでも、生活に大きな違いが出てきます。
ただし、ノルマがないだけで精神的な負担がゼロになるわけではないため、どんな仕事の内容なのかも吟味するのが大切です。