休みの多い仕事・休憩時間の多い仕事一覧!余暇を多く取り自分のペースで働ける仕事の特徴と傾向
毎日忙しい中で汗水垂らして働くだけが、仕事ではありません。日々の生活を忙しく過ごす現代社会人にとって、また、(給料が低くてもいいから)ゆっくりと仕事がしたい人にとって、休みが多く取れる(または取りやすい)ことは、心身ともに大切な意味があります。
趣味や家族のために費やす時間を最優先に考えたり、仕事が一番ではない人生も豊かですし、逆を言えばそれがあるからこそ仕事も頑張れるのかもしれません。
それでは、そんな休みを充実させたい人におすすめの休みが多く、休憩時間も多く取れるような仕事を紹介します。
「休みが多い」の定義。休みが多いってどれくらい?
「休みが多い」と一口に言っても、「多い」とはどれくらいなのか?感覚的な部分がありますよね。
週に1日の休みでも十分という人もいれば、3日は欲しいという人もいるでしょう。そこで、まずは世間一般から見て「休みが多い」とはどれくらいなのか、「休みが多い」について定義付けてみましょう。
少し小難しい話になるので結論を先に書いておくと、「年間120日前後の休み」があれば相対的に見て、休みの多い仕事と言えます。余暇をしっかりと取りたい方は就職・転職時に「年間休日120日」を目安にすると良いでしょう。
労働時間から考える
労働基準法を見てみると、会社は「法定休日は毎週少なくとも1日、または4週を通じて4日以上」にしなければいけないと明記されています。さらに「労働時間の上限は週40時間」の規定の存在が休みの考え方の基礎になります。
1年間の週の数を見ると、365日÷7でだいたい52週あります。
1週間の労働時間の上限として40時間が設定されているので、これを掛けると1年間の労働時間は約2080時間が基準なのが見えてきます。
また、労働基準法には「1日8時間を超えて労働させてはならない」との規定があることも重要です。この8時間から判断すると、年間で働くことになる最大日数が260日(2080÷8)であることがわかります。
260日を1年間の労働日数として計算し、休日を割り出すと、365日のうち105日は休みにならなければいけないという答えが出ます。
ここで考えなければいけないのは、会社側が1日の労働時間を7時間で設定した場合です。
これは「所定労働時間」と言いますが、この計算で行くと298日まで労働日数が増えることになり、休みは67日になります。
つまり、1日当たりの所定労働時間を短く設定にしていると、年間休日は少なくなります。105日と比較するとかなり短い67日の休みですが、これが「問題ないのか?」と言えば、1年間約52週で4週で4日の休みで計算しても67日はクリアできるため、労働基準法をクリアするので問題はないんです。
休みの計算としては会社が定めなければいけない公休日のことで、有給休暇や慶弔休暇などは含まれません。逆に夏季休暇や年末年始休暇は、会社が定めているものなら公休に含まれます。
週休二日制から考える
見方を変えて、週休二日制を敷いている状況を考えてみましょう。
1年間の土日の日数は、その年によってわずかに違いますが、概ね毎年104日程度です。ここに祝日が入り、振替休日も含めると13日となることから、基本的な休みが117日になります。
求人に「年間休日120日」と書かれている場合には、土日祝の他に公休日を3日プラスした程度なのがわかります。
年末年始やお盆休みなどがあれば、年間130日以上になるのも珍しくありません。
実際に休日が120日という条件を考えると、年間の1/3が休みなので2日に一度は休みになる計算ですね。
実際のところは…
休日の平均日数としては、厚生労働省が調査したデータが存在し、このデータを見ると、平成29年では休日の平均日数は「108.3日」でした。
規模によっても差があり、大企業になると「115.1日」、小さな30人以上100人未満の企業であれば「107.2日」だったところも重要ですね。
会社の規模に比例して大きいほど年間休日が取れるのは、それだけ労務管理がしっかりしており、労組(労働組合)などの力が影響しているのでしょう。
調査結果からも見えますが、大企業の「115日」を超えるところは休みが多く、小さな会社の「107日」を切れば休みの少ない仕事と言えるでしょう。
年間の休みが多い仕事・業種
中小企業など小さな会社に比べ、大企業などの規模の大きな会社の方が、比較的休みが多いことがわかりましたが、業種で見てみるとまた違う結果が出てきます。
自動車メーカー・輸送機メーカー
一般的に休みが多く取れるのは、大規模な工場も持つ自動車メーカーや輸送機メーカーです。
これらの企業は年間休日が130日を超えるところもあるほどです。
管理体制がしっかりしているため、残業も一定範囲内で収まります。
製造や開発といった部署によっても違いますが、ずれることもなく計画的に休める仕事なのは確かです。
労務管理のひとつとして休憩時間も定められていることから、身体の負担も抑えながら働けます。
家電メーカー
同じように家電メーカーも休みが多いことで知られています。
自動車メーカーにも負けず管理体制がしっかりとしており、休みもはっきりとわかる仕事です。
製造調整も出てくるため、思っている以上に休みが増えます。130日前後のところも珍しくありませんし、休憩もちゃんと取れるため働きやすい仕事です。
メーカー関係
メーカー関係は、休みの多いのが特徴です。
医療機器メーカーもその中のひとつで、部署で違いはありますが、開発や製造はかなりの日数になります。
開発や製造に比べて営業はかなりの激務が待っており、残業も多く休みも不定期になりやすいため注意が必要です。
化粧品メーカー
化粧品メーカーも休みが多い仕事です。
需要調査で生産が変わりますが、他のメーカーの仕事とは異なり、開発には化学品の知識も必要になるなど条件が厳しいこともあります。
そんな中でも有給は取りやすいとされており、思っている以上に休みが多くなる仕事です。
医療関係
営業も医療関係に比べると、休みが取りやすいと言われています。
医療関係の中でも、人気なのがMRです。実は休みが多いのは、自己裁量で行動するからですね。
時間が自由に使えるのが大きなポイントで、休日数も増えます。対象となる医師や病院に合わせて休みをとることもありますが、日中の勤務はかなりの激務でメリハリをつけて仕事をするイメージになるでしょう。
医療関係の中でも臨床開発モニターや治験コーディネーターも休みが多い仕事です。新薬開発や治験のデータを取得し管理することが仕事で、オンオフのメリハリがあり、やりがいのある反面かなりの知識が要求されます。
土木・建設業
年間休日という面では、土木業も休みが多い仕事です。
建築業の場合には、屋根がある中で仕事をすることも多く、天候に左右されにくい部分を持ちますが、土木業は雨が降ると仕事にならず休みになるケースがあります。
すべてではありませんが、かなり休日の日数が増える仕事です。
寒冷地では、雪が降ると仕事にならず、暖かい地方に遠征するような会社もあるほどです。逆に除雪を中心としているようなところは、夏には仕事が少ないことも珍しくありません。
体力勝負なこともあり、時間ごとに休憩も取れるようなかたちをとるため、意外と負担の少ない業種です。
システムエンジニア
システムエンジニアは激務の代名詞とも言われ、寝る暇もないことをデスマーチと呼びますが、近年では実は休みが多い仕事とも言われています。
というのも仕事で休みも取れないと言われていた中、社会現象ともなったうつ病対策としてフレックスタイムの導入などでかなり変わりました。
裁量労働制を敷いているところでも予定管理を徹底して休みをコントロールすることで、デスマーチになることも少なくなっています。
自宅勤務を認めているところも多く、必然的に休みもかなり増えています。
自社開発を行うところは、外部からの影響が少ないため、休みは多くなりやすい環境です。逆に言えば、まだブラックな会社は存在するため、どんな業務内容なのか、自分で選ばなければいけません。
営業職
休みの数をコントロールできるという点では営業職も休みは多くなります。取引先の会社が休みになると、仕事をしたくてもできませんからね。
そうなると、自然と休みが増えます。ただし、一般の家庭を訪問するタイプの営業は、休みも合わせにくく少なくなる傾向があります。
公務員
多くの休みがあるという面で公務員は確実です。年間の休みがずれることは、余程のことがない限りありません。
120日以上の休暇も取れるため、かなり優遇された条件の中で働けます。公務員独特の休みもあるため、安定した働き方です。
自営業
休みであって休みではない、あいまいな線引きになるのが自営業です。内容によって異なりますが、自由裁量とも言えるため、極端に多くすればその分だけ収入も減ります。
365日休みをとらず働けますし、年間の半分は休みといった選択肢も取れます。
休みが多い仕事の特徴と傾向
休みの多い仕事を挙げてみると、色々な特徴が見えてきます。紹介した以外の仕事で休みの多い仕事を探す際の参考にしてみてください。
BtoBのお仕事
そのひとつが、BtoBです。
BtoBとは、「Business to business」の略で企業対企業の取引関係を表す言葉です。要は個人ではなく企業・法人間の取引やビジネスですね。こうした企業は休みが多くなりやすい傾向があります。
取引先が休みになれば仕事にならないため、年末年始やお盆を合わせる形で休めるからです。
企業として管理を徹底しているところも多いことから、大企業と取引しているところは、この傾向が強いです。
製造業の大手などは、労働管理の関係上、休みは多めです。コンプライアンス遵守から残業も少なく、決められた時間内で働くことを徹底しています。
特に多いのは設計開発の部門で、勤務時間も比較的短めだと言われています。生産ラインの方では休みはあるものの、シフト制で夜勤が発生することも出てきます。夜勤明けが休み扱いになると、思っている以上に時間が使えないこともあるので、その点は注意が必要になります。
自己裁量性やフレックスタイムの仕事
自己裁量性のところは休みも多くとりやすい反面、仕事が終わらなければ早く帰れませんし、休憩も取りにくい働き方になります。
例えば、システムエンジニアなどでよく見られますが、仕事内容で休みの日数も大きく変わります。
特に外部に影響を受ける自己裁量制の場合は、休みの数の変動は大きくなるのが特徴です。
逆に内部だけであればスケジュール管理がしやすくなるため、激務にもなりにくく、休みも取得しやすくなります。
年間の休みが多いことで知られている企業
休みが多い大企業といっても、実際には色々あります。
メーカーとして休みが多いことで知られているのは、「日産自動車」や「本田技研工業」です。
自動車系のメーカーの場合、労務管理を徹底しているため、年間休日がしっかりと120日を超えるように調整されています。
他にも「三菱自動車工業」や「トヨタ系列」「マツダ」「ダイハツ」「スズキ」「いすゞ」といったところは軒並み120日の休みがあります。
重工業として、「三菱重工」や「日立造船」「JFEエンジニアリング」「川田工業」も休日が多い企業です。労務管理体制もしっかりしており、自動車メーカー同様に年間の休日は120日を超えるため、休みの多い仕事に含まれます。
こうした重工業の仕事は、音も激しいため、あまり会話をすることなく決められた仕事を黙々と行えるのも特徴ですね。
家電メーカーの「SONY」や「パナソニック」も休みが多い企業です。年間125日を超える休日数を誇り、生産調整があることから、自動車メーカーよりも休日数が増えます。
そして、休みがズバ抜けて多いことで知られるのが「スター精密」です。静岡県の電子機器メーカーですが、売り上げの大半は海外への販売という特徴を持っています。公表されている休日は、常に130日を超えている企業です。
また、「新日本空調」もスター精密に負けません。三井グループの企業で、空調機器の設計や管理、工事も請け負っていますが、やはり130日規模の休みがあることでも知られています。
メーカーとして少々毛色が異なるのが「セガグループ」です。ゲーム事業で有名な企業ですが、実は休みの日数もトップクラスです。
その他化粧品で有名な「オルビス」や製薬大手の「田辺三菱製薬」なども年間125日を超える休日数があり、休みが多い企業と言えるでしょう。
大企業が中心になりましたが、やはり大きな企業は労働管理が徹底されており、中小に比べるとしっかりと休めるところが多いです。
休みが多い仕事を探す際はここで紹介した企業やその関連会社などを調べ、就職や転職を考えてみると良いでしょう。
年120日以上なら休みは多い方
厚生労働省をはじめ、多くの企業が休日日数の統計を取っていますが、一般的に休みの日が「120日」を超える企業は間違いなく休みが多い企業と言えます。
単純計算で週に2日は休みが取れ、長期休暇もあります。有給を使うことで、さらに長く休むこともできるでしょう。
また、大企業などは労働環境にも優れ、休みがしっかりと取れるように配慮されており、働きやすい環境が整っていると言えるでしょう。
休みが多い仕事を探す上では「120日以上」を目安にしつつ、大手など大企業に目星をつけると探しやすくなると思います。
大手企業をはじめ、労務管理がしっかりしているところであれば、無理なく働くこともでき、比較的落ち着いて仕事に取り組みやすくなるはずです。